広大熱工学メルマガ74号(2013.5活動報告)

                     広島大学大学院工学研究科 熱工学研究室
                       (松村・井上・神名・柳田研究室)
                            松村幸彦
                            井上修平
                            神名麻智
                            柳田高志


あっという間に夏の気候となり、台風にもいろいろと悩まされる時期になりました。皆様に
はいかがお過ごしでしょうか。今年5月の活動報告を送らせていただきます。

研究室にはタイから短期でIce君が来ています。カーボン関係の研究を進めてもらっていま す。

欧州でバイオマスの会議が1週間あり、熱工学研究室からはスタッフ2名、学生5名が参加
しました。そのあおりで、この報告の配信が遅くなりました。次回のメルマガで正式には報
告させていただきますが、博士課程3年のKellyさんのポスターがポスター賞を受賞しまし
た。また、寄稿もこの学会についていただいています。

学会は学生にとってはいろいろな力をつける絶好の機会です。要旨を書くときに自分の研究
を見直すことができ、発表に質問を受けることで深く考えることができ、他の研究を聞くこ
とで視野を広げることができます。指導する側も、この機会を最大限に利用するように工夫
します。

良い文章や、しっかりした書き方をなぞることによって実力をつけることができますので、
以前の指導者は自分の書いた下書きを学生に清書させたり、学生の書いた原稿に赤を入れる
ことで学生の力を向上させました。現在は、ワープロで原稿が書かれてきますし、指導者側
も自分でワープロを使えますので、単に学会発表するだけの目的であれば指導者が適当に直
して投稿してしまえば済みます。しかし、あえて学生の書いてきたファイルに見え消しで修
正を加えて、学生に直させることで学生の力の向上を図ります。

正直、指導者側には学生の原稿を何度も見なくてはならず、研究発表の観点では学生の修正
が遅れて学会の要旨締切に遅れるなど、手間も問題もないわけではないのですが、大学の目
的は学生の育成ですので、あえて手間をかけている状況です。会社であれば、さっさと上司
が手を入れて、「これを提出しとけ」で済ませるかと思います。学生の中にも、とにかく最
終版を出すことが目的だ、と考えて、どうせ指導教官が手を入れるから取りあえずのものを
出せば良い、と思っているような学生もあります。ミススペルや番号のずれなどの間違いだ
らけのものを送ってきたり、正しいフォーマットを使わずに送ってきたりする学生も存在し
ます。

それでも、成果を上げながらも、少しでも学生に実力をつけてもらうよう、試行錯誤と修正
作業の毎日です。

今回はスタッフカラムを神名助教から送らせていただきます。また、寄稿をM1の福富裕太様
からいただいています。


■ スタッフカラム(神名麻智)

皆様、いかがお過ごしで しょうか。

広島大学の助教に着任して二年がたちました。過ぎてみるとあっという間でしたが、色々な
ことを学ぶことができた二年間でもありました。周りの環境にも本当に恵まれていて、多く
の方々に支えられながら、日々すごしてきたなと思っています。

まだまだ自分自身、課題が多くありますが、少しずつでも前に進めていければと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


■ 寄稿(福富裕太様)

皆さんこんにちは。修士1年の福富裕太です。雨季が到来し恵みの雨が降り注いでおります
が、皆様いかがお過ごしでしょうか。研究室ではタイからの短期留学生であるアイスくんを
新たに迎え入れ、更なる活気に溢れています。

私事ですが、6月3日〜7日の期間にデンマークで開催されたヨーロッパバイオマス会議に
出席しました。ポスター発表を行い様々な国からの参加者から質問を頂いたのですが、英語
での受け答えに苦労した部分もあり、更なる英語力の向上が不可欠だと痛感しました。しか
し、レベルの高い発表の数々を聞いて自分の研究分野に関する知識を深めることができたの
で、それをこれからの研究活動に生かしていこうという思いです。

またコペンハーゲンの観光にも行かせて頂きましたが、特に気に入ったのはニューハウンと
いう色鮮やかな家々が立ち並ぶ港町です。日が長かったこともあり、夜でも屋外レストラン
で食事を楽しむ人たちで賑わっていました。ニューハウンを初めとするコペンハーゲンの美
しい町並みに触れ、大いにリフレッシュすることができました。

過ごしにくい日が続きますが、皆さんどうぞお体に気をつけて下さい。



■ 5月の学会発表、講演等

<論文・総説(査読あり)>

Phacharakamol Petchpradab Phothisantikul, Ranisorn Tuanpusa, Minoru Nakashima,
Tawatchai Charinpanitkul, Yukihiko Matsumura: Effect of CH3COOH and K2CO3 on
hydrothermal pretreatment of water hyacinth (Eichhornia crassipes), Ind. Eng.
Chem. Res., 52(14), 5009-5015 (2013.4)

Tau Len-Kelly Yong, Yukihiko Matsumura: Kinetic analysis of lignin hydrothermal
conversion in sub- and supercritical water, Ind. Eng. Chem. Res., 52(16), 5626-
5639 (2013.4)

滝村修, 柳田高志, 藤本真司, 美濃輪智朗: オンサイト酵素生産による稲わらからのバイオ
エタノール製造コストの評価, J. Jpn. Petrol. Inst., 56(3), 150-155 (2013.5)


<国内学会発表>

松村幸彦, 田代一喜, 井上修平, 川井良文, 野口琢史, 美濃輪智朗, 和田泰孝: 超臨界水ガ
ス化に用いるスパイラル熱交換器の伝熱特性, 第50回日本伝熱シンポジウム, 講演番号
B213, 2013.5.29-31, 仙台.

大友惇, 井上修平, 松村幸彦, 高田啓二, 富田健太郎, 内野喜一郎, 田中大, 梶山博司:
フォトクロミック亜鉛シリコン酸化物ナノ結晶の合成, 第50回日本伝熱シンポジウム, 講
演番号D221, 2013.5.29-31, 仙台.


<講演>

中原大輔, 井上修平, 松村幸彦: カーボンナノチューブ気相合成中のガス分析, 平成25年度
中四国熱科学・工学研究会研究討論会, 2013.5.18, 東広島.


<その他>

松村幸彦: 実行委員長, 平成25年度中四国熱科学・工学研究会研究討論会, 2013.5.18, 東 広島.
井上修平: 幹事, 平成25年度中四国熱科学・工学研究会研究討論会, 2013.5.18, 東広島.
松村幸彦: 世話人,第9回広島大学バイオマスイブニングセミナー, 2013.5.22, 東広島.
松村幸彦: 解説,第9回広島大学バイオマスイブニングセミナー, 2013.5.22, 東広島.
神名麻智: 司会,第9回広島大学バイオマスイブニングセミナー, 2013.5.22, 東広島.

○関連トピックス

昨年、バンコクで開催した国際会議のJCRENですが、今年度は東広島で開催の予定です。開
催案内を添付します。是非ご参加ください。

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