広大熱工学メルマガ54号(2011.9活動報告)

                     広島大学大学院工学研究科 熱工学研究室
                            松村幸彦
                            井上修平
                            神名麻智
                            柳田高志


急に涼しくなりました。外を歩いていても時々肌寒く感じる状況です。皆様にはいかがお
過ごしでしょうか。

10月になって、タイから2名メンバーが参加しました。一方、Jaruveeさんは無事に帰
国しました。また、9月の間に海外共同研究でマレーシアに言っていた高井北斗君、タイ
に言っていた谷口文太君と山下泰直君も無事に戻って来ました。一時帰国していた留学生
も戻って来て、後期が始まっています。

とはいっても、この期間は学会シーズンでもあり、出張も続いています。シンガポール、
マレーシア、インドネシア、タイ、名古屋、旭川、東京...と飛び回っている状況です。

これだけ飛び回っていると、疲れもたまってきます。一番困るのは週末にかけての出張
で、疲れを取る間がなくなりますので、ダメージも結構たまります。9月に休日が2日あ
るのは、正直助かりました。

9月の活動報告をお送りします。今回は、9月1日に着任した柳田助教から挨拶をさせて
いただきます。また、今年3月に修士を修了した藤村壮様と、4月にM2となった小西拓
郎様から寄稿を頂いています。


■ ご挨拶(柳田高志)

皆様、初めまして。

9月1日 より、広島大学の熱工学研究室に着任いたしました柳田高志と申します。

着任前は、(独)産業技術総合研究所バイオマス研究センターにて、バイオマスの利活用に
関する研究に従事し、化学工学をベース として、システムの経済性・環境性を評価し、
研究開発課題の提言を行っていました。学生時代は、工業化学と生物工学を専攻してお
り、この 時に修得した知識と実験スキルをシステム評価に生かして研究に取り組んでき
ました。

広島大学でも、バイオマスのエネルギー・マテリアル変換に熱工学の技術を取り入れ、バ
イオマス利用の実用化を 推進していきたいと考えています。バイオマスの利活用は、温
暖化対策の他、石油依存脱却、廃棄物活用、農業の活性化、新技術開発などのメ リット
がある反面、生産コスト、非効率なシステム、原料の確保・収集等の問題点も含んでいま
す。微力ながらも、これらの問題解決に貢献していきたいと考えています。

精一杯職務に専念したいと思いますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げま
す。


■ 寄稿(藤村壮様)

こんにちは。平成23年卒業生(現三菱重工業・環境化学プラント事業部)の藤村壮です。

研究室の皆様はお久しぶりです。毎月送られるメルマガを拝見するたび、懐かしい思いで
いっぱいです。みなさまお元気でしょうか。

私は現在横浜でエンジニアリング業務をしておりますが、社会人となり早くも半年が過ぎ
ました。同輩の皆様はそろそろ就職活動を意識するころかもしれません。そこで同期生の
立場から、社会人になって感じたことを二点、近況報告したいと思います。

一つは説明力の重要さです。英語能力の重要性は皆様もお察しだと思いますが、日
本語の説明力も極めて重要です。会社では些細なことでも報告は重要になってきます。簡
潔に、明確に伝えるというのは案外難しいのだと入社してから気づきました。研究室では
GMやゼミ発表など、説明する機会はたくさんあります。GMでは端的にまとまった報告を、
ゼミ発表ではB4の学生にもわかりやすい説明を意識してみると、きっと力になると思いま
す。

もう一つは、社会人もそれなりに楽しいということです。仕事をしてると拘束されるよう
なイメージを持ちがちですが、休みの日には同期と遊びに行けますし、仕事でも上司に依
頼された仕事を果たすとそれなりに充実感があります。私の場合入社して半年なので、ま
だ苦しさを知らないだけかもしれませんが、気持ちの持ちようで楽しくもつまらなくもな
るのかなという気がしています。ですから今後就職活動に取り組むときも、あまり思いつ
めずにいい意味で楽観的になるのもありかなという思いです。

皆様事故のないよう、健康に楽しく残りの学生生活を楽しんでください!



■ 寄稿(小西拓郎様)

修士2年の小西拓郎です。近況を報告させて頂きます。研究室では、柳田先生の助教授着
任、ジャルビーさんの帰国、10月にはチャンプ君の再来日など送迎が頻繁にあります。送
迎会で別れを惜しみつつ、出会いを楽しみつつ相変わらずの飲み会をしています。

私自身の近況も書かせて頂きたいと思います。そろそろ、修士論文のために自身の研究を
形作っていきたいと試行錯誤していますが、現状では考察不足のためか、実験の不手際
か、再現実験で滞りがちです。しかし、若手海外研究者海外派遣や、海外学会の申し込み
等のチャンスを松村先生から頂き、日々研究に精進する次第です。

若手海外研究者海外派遣や、海外学会の件で英語学習が必要となっているのも確かです
が、山下(泰)君や谷口君のタイ留学の土産話を聞かせてもらったこと、留学生ともっと
コミュケーションを取りたいという気持ちから英語勉強にも積極的になれています。研究
室に所属し、2年以上経過しましたが、良い環境に恵まれたと実感しています。



■ 9月の学会発表、講演等

<論文・総説(査読あり)>

Takashi Noguchi, Yoji Noda, Yoshihiko Yamasaki, Shuhei Inoue, Yoshifumi Kawai,
Yoshihisa Shimizu, Tomoaki Minowa, Yukihiko Matsumura: Heat transfer
characteristics of biomass slurry under high pressure and high temperature, J.
Jpn. Inst. Energy, 90(9), 874-880 (2011.9).


<国際学会発表>

Inoue Shuhei, Matsumura Yukihiko: Non Equilibrium Molecular Dynamics Simulation
for Driving Thermal Diffusivity of Functionalized Single-Walled Carbon Nanotube,
4B3, The 6th Conference of the Asian Consortium on Computational Materials
Science (ACCMS-6), 2011.9.6-9, Singapore.

Yoshida Shinsuke, Inoue Shuhei, Matsumura Yukihiko: Molecular Dynamics
Simulation for the Thermal Dissociation Process of Titanium-Carbide Cluster,
11A2, The 6th Conference of the Asian Consortium on Computational Materials
Science (ACCMS-6), 2011.9.6-9, Singapore.


<国内学会発表>

大友惇,宮本真太郎,田中大,中澤明,井上修平,梶山博司: XAFSによる酸化物半導体の
電子状態解析, 第72回応用物理学会学術講演会, 講演番号2a-ZK-1, 2011.8.29-9.2, 山
形.

宮本真太郎,大友惇,田中大,中澤明,井上修平,梶山博司: 熱ルミネッセンス法による
酸化物半導体の電子トラップ状態計測, 第72回応用物理学会学術講演会, 講演番号2a-ZK-
2, 2011.8.29-9.2, 山形.

Chutinan Promdej, 高井北斗, 松村幸彦「Glucose decomposition kinetics in acid
catalyst under hydrothermal gasification in SCWG process」化学工学会第43回秋季大
会, 講演番号Z104, 2011.9.14-16, 名古屋.

Jaruvee Chudthong, 吉田 拓也, 松村 幸彦「Determination of the kinetic parameters
for hydrothermal pretreatment of water hyacinth in a continuous flow reactor」化
学工学会第43回秋季大会, 講演番号Z301, 2011.9.14-16, 名古屋.

富永 隆嗣,井上 修平,松村 幸彦:カーボンナノチューブ合成時における反応物質の測
定, 第5回分子科学討論会2011札幌, 講演番号2P067, 2011.9.20-23, 札幌. (Poster)


<講演>

松村幸彦「木質バイオマスのエネルギー利用と水熱反応」日本木材学会中国・四国支部第
23回(2011年度)研究発表会特別講演, 2011.9.26, 東広島.


<その他>

松村幸彦:シンポジウムオーガナイザ, 「バイオ技術によるグリーンイノベーション」化
学工学会第43回秋季大会, 2011.9.14-16, 名古屋.

松村幸彦:座長「バイオ技術によるグリーンイノベーション」化学工学会第43回秋季大
会, 講演番号Z107-Z109, 2011.9.14-16, 名古屋.

松村幸彦:展望講演司会, 横山伸也「バイオマスエネルギー導入の現状と展望」, シンポ
ジウム「バイオ技術によるグリーンイノベーション」, 化学工学会第42回秋季大会, 講演
番号Z113, 2010.9.6-8, 京都.


○関連トピックス

■10/28 東広島「第13回広島大学・産総研バイオマスオープンセミナー」

広島大学と産総研が主催するバイオマスオープンセミナーを、 10月28日(金)に
開催致します。

第13回となります今回は、サイエンスパークの施設公開に併せて開催し、サイエン
スパーク内のJSTイノベーションプラザで開催します。微生物を用いた生物科学変
換について、水熱前処理から実際の発酵までをカバーした講演を行います。
また、セミナーに続いて、意見交換会(会費制)を開催致しますので、ディスカッ
ションの場として是非ともお役立てください。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。今回は広島大学が開催担当ですので、
参加希望者は所属と氏名を kanna@hiroshima-u.ac.jp までお送り下さい。また、
駐車場に限りがありますので、できる限り公共の交通機関をご利用いただきますよ
うお願いします。

組織名:
氏名:
所在地:〒
TEL:
E-Mail:
交流会の参加: 参加 不参加


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    第13回 広島大学・産総研バイオマスオープンセミナー
              開催のご案内
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【内容】
 ◆オープンセミナー(16時〜17時45分)
    日時: 平成23年10月28日(金) 16時〜17時45分(開場15時45分)
    場所: JSTイノベーションプラザ1階 セミナー室
       独立行政法人 科学技術振興機構 JSTイノベーションプラザ広島
        〒739-0046 広島県東広島市鏡山三丁目10番23号
        (広島中央サイエンスパーク内)
        事務室 :TEL 082-493-8235  FAX 082-493-8236
         お問い合わせ:info@hiroshima.jst-plaza.jp
         JR西条駅からJRバスにて水源地前下車(15〜20分)、徒歩約5分
         http://www.hiroshima.jst-plaza.jp/access.html#m2


  特別講演(60分)
   「酵母の力:バイオマス利用への多彩な展開」  
   元独立行政法人酒類総合研究所
   研究企画知財部門部門長
                      家藤 治幸 氏

  研究発表(20分)
  「合成ガス資化性好熱性細菌Moorella thermoaceticaにおける形質転換
   および異種遺伝子発現システムの開発」
   独立行政法人産業技術総合研究所バイオマス研究センター
   エタノール・バイオ変換チーム 産総研特別研究員
                      喜多 晃久 氏

  研究発表(20分)
  「Acid and base catalyzed hydrothermal pretreatment
   of water hyacinth in a ball mill」
   広島大学大学院工学研究科 D2
           Phacharakamol P. PHOTHISANTIKUL 氏


 ◆交流会(18時〜20時)
  日時: 平成23年10月28日(金) 18時〜20時
  場所: 広島大学 地域共同研究センター2階 会議室
  会費: 一般 2,000円、産総研契約職員 1,000円、
     オープンセミナー参加の学生 500円

 ◆お問い合せ先
 広島大学大学院工学研究院エネルギー・環境部門
   バイオマスオープンセミナー担当 神名
電話 082−424−5762


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