広大熱工学メルマガ44号(2010.11活動報告)

                     広島大学大学院工学研究科 熱工学研究室
                            松村幸彦
                            井上修平
                            吉田拓也


前々々回、前々回、前回のメルマガに引き続いて、11月の活動報告です。

現在、ハワイの学会に松村と学生4名が参加しています。前々回のメルマガにも書きました
が、学生の力が付いてきていて、国際学会でもまずまず発表できるようになってきました。今
回の学会では、中嶋君が口頭発表、残りの4人がポスター発表でした。中嶋君には、ぎりぎり
まで発表練習で、本番も、やはり英語がおかしかったり、話がしっかりできていない部分が
あったり、と不十分なところはいくつかありましたが、とりあえず、原稿は見ずに、一応、最
初から最後まで何とか話せていました。

学会などでしっかり話ができることは、会社に入ってからも重要です。相手のレベルと考えを
踏まえながら、わかりやすく、自分の考えを伝える力がなければ、共同での作業はうまく進め
られません。この点では、今回の学会発表で、他の大学の何人かよりは中嶋君の方がしっかり
発表できていました。中には、大学の先生なのに原稿を読み上げている人もいましたし、旧帝
大の学生、他大学の学生でも、やはり原稿を見ながら話していて、聴衆に向けた話ができてい
ない人もいました。

熱工学の学生は、研究室の留学生と話しなれているためか、英語を話すことに違和感もないよ
うです。後は、英語力。TOEICの点で800はほしいところです。ちなみに、一緒に行った後の学
生はポスターの説明を英語でしているところを見ていないのでよくわかりませんでしたが、昨
年タイで発表した白井浩一君は原稿を見ずに話しただけでなく、英語もほぼ問題なし、質疑応
答もまあOKでした。入社してからの活躍が期待されます。

11月の活動報告をお送りします。今回は、学会発表した中嶋稔様から寄稿を頂いています。


■ 寄稿(中嶋稔様)

08年度大学院入学の現修士2年の中嶋です。

このたび2010環太平洋国際化学会議(開催地:ホノルル)に参加させていただきました。研究室
ならびに大学の協力により自身2度目の国際学会に参加させて頂けた事に、ただただ感謝の言葉
に尽きるところです。

現在私は口頭発表を終え、その余韻の中メルマガに寄せる文章を書いているところです。

学会は、一人の持ち時間が30分(25分:5 分)であるにもかかわらず、10分程度で終わる人や、
当日不参加の発表者が居るなど波乱の幕開けでした。実際一つ前の発表者も、不参加が判明
し、急遽約1時間繰り上げての発表となりました。想定外の事態に困惑すると共に、壇上に上る
と、傍聴者が皆偉い人に見え、胸中は穏やかでなかったと記憶しています。胸を張って発表す
れば良いものの、私の度量の小ささを改めて痛感することとなりました。緊張のため英単語が
すぐに出てこない状態でしたが、次第に慣れ、詰まりながらも何とか発表を終えることが出来
たのではないでしょうか。

どんな状況下でも、自分の研究に自信を持って、そして色々な人にアピールしていくことは重
要で、今後の研究ないし仕事にも生かせるよう私自身を磨く必要性を改めて感じた学会でし
た。当初、長時間の口頭発表で困惑しておりましたが、色々な体験をさせていただけることは
学ぶことも多く、自分の何かを変えることが出来ると思います。M1,B4にはこれから積極的に
色々なことに積極的に参加し、そこで自分を磨いていっていただけたらと思います。


■ 11月の学会発表、講演等

<著書>
松村幸彦:『太陽賜予的生物質−不産出CO2的未来能源』王毅、韋利民訳, 机械工業出版社
(2010.11) [2008年発行の「太陽の恵みバイオマス−CO2を出さないこれからのエネルギー−」
コロナ社の中国語訳 ISBN:978-7-111-30209-4].

松村幸彦:『骨太のエネルギーロードマップ2 実装可能なエネルギー技術で築く未来』Map
1-8 「バイオマス・バイオ燃料のロードマップ」(pp.101-108) 化学工学会エネルギー部会・骨
太のエネルギーロードマップ第2版製作委員会編、化学工業社 (2010.11) [ISBN:978-4-7594-
0001-4].


<国際学会発表>

Inoue, Shuhei; Matsumura, Yukihiko: MD Study for Functionalized Single-Walled Carbon
Nanotube, 7th International Conference on Flow Dynamics (ICFD2010), Nov. 1-3, 2010,
Sendai (Invited).

Matsumura, Yukihiko; Yamashita, Yasunao; Inoue, Shuhei; Kawai, Yoshifumi; Minowa,
Tomoaki; Noda, Yoji; Shimizu, Yoshihisa: Reaction Rate Parameters for Supercritical
Water Gasification of Various Biomass Species, 2010 AIChE Annual Meeting, 557c, Nov.
7-12, 2010, Salt Lake City, USA.


<講演>

松村幸彦:「中国地域におけるバイオマス市場の創生」中国地域バイオマス利用研究会講演会
「バイオマス市場の創生に向けて」, 2010.11.1, 東広島.

Matsumura, Yukihiko: Fundamental and recent development of supercritical water
gasification, Universiti Teknologi PETRONAS Seminar, Nov. 15, 2010, Perak Darul
Ridzuan, Malaysia.

松村幸彦「木質バイオマスエネルギー利用システム」平成22年度新エネルギー人材育成研修
会木質バイオマスコース, 2010.11.25, 東京.

吉田拓也:「超臨界水を用いたバイオマス低温ガス化法」広島大学新技術説明会2010 in 広島,
2010. 11.25, 広島.

中嶋稔:「ホテイアオイの水熱前処理による処理条件の影響の検討」第5回広島大学・産総研バ
イオマスオープンセミナー, 2010.11.26, 東広島.


<その他>

Yukihiko Matsumura: CoChair, Session "#557 - Reactor Engineering for Biomass
Feedstocks", Non-Topical 23: Sustainable Engineering Forum, 2010 AIChE Annual
Meeting, Nov. 7-12, 2010, Salt Lake City, USA.

Matsumura, Yukihiko: Chair, Technical Session 1: Sustainability Biomass Waste
Utilization, 7th Biomass Asia Workshop, Nov. 29-Dec. 1, 2010, Jakarta, Indonesia.


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