広大熱工学メルマガ34号(2010.1活動報告)
                     広島大学大学院工学研究科 熱工学研究室
                            松村幸彦
                            井上修平
                            吉田拓也


立春も近づきましたが、寒い日がまだまだ続きます。皆様いかがお過ごしでしょうか。

いよいよ、卒論も修論も追い込みに入ってきました。卒論、修論を書く方も大変、見る方も大
変、さらに発表練習も必要です。卒論、修論のまとめは、どのようにレポートをまとめるか、ど
れだけ論理的な議論ができるか、わかりやすい発表ができるか、ということを実地に身につける
場で、まさに企業に入った後の即戦力として必要不可欠な部分ですので、指導する側も一生懸命
です。結果ばかりで考察がなかったり、考察があっても不十分だったり、という学生に、将来困
らないように少しでもまとめ方、発表の仕方を身につけてほしいと思いながら、コメントを書い
ては返信しています。

熱工学研究室では、グループ制を取り入れています。関係するテーマの学生を何人か集めてグ
ループを作り、グループリーダーを置いて、週に1回グループミーティングを行います。グルー
プリーダーには修士の学生がなることが多いのですが、自分のテーマと関係ない卒論生の面倒ま
で見なくてはならないこともあり、特にこの時期、大変です。

とは言っても、下の学生の相談に乗ったり、指導することで身に付くものも多いものです。松村
の場合にも、研究室で行われていた他のテーマについていろいろと話を聞いたり、相談に乗った
りすることを通して、自分のテーマとあまり関係のない、熱化学サイクル、遠心流動層、直接還
元、流動層造粒、超臨界抽出などについても学び、そのことが、今になってもとても役に立って
います。企業に入って、どのような仕事を任せられるか、予想もできません。少しでも多くの知
識と、少しでも多くの研究上のテクニックを学ぶ機会としてもらえればと思っています。

リクルータとして、砂後君、山科君が連絡をくれました。うまく日程があって、会えればよいの
ですが、出張や委員会、講義などで留守にしていることが多いので、会えなければすみません。
リクルータで来ていただける方は、ml-th-recrut@hiroshima-u.ac.jp までご連絡下さい。担当の
M1の学生に届きます。(アドレスの recrut はあわててアカウントを作ったときに打ち間違え
たものです。i がないのが正しいので念のため。)

1月の活動報告をお送りします。今回は、岡野僚太様に寄稿をいただいています。

■ 寄稿(岡野僚太様)

こんにちは。06年度修了の岡野です。現在は株式会社ジェイテクトの勤務で、自動車のステアリ
ング開発を行っています。社会人になり早3年目が終わろうとしています。今の勤務地は静岡県
湖西市です。

広島大学に行く機会は年に1、2回あるかどうかというとこですが、研究室の仲間、サークルの仲
間、その他いろいろな方といまだに交流があり、そのお陰もあり学生時代と変わらないぐらい充
実した日々を送らせていただいています。

仕事の方ですが、ただ今自動車業界は大変な時期であり、ついこの前のようにいくらでも残業時
間をしていいわけではなく、これまで以上に限られた時間内に結果を出すことが求められていま
す。

そいうわけで大変な部分も多いですが、仕事自体は大変興味があることであり、大学時代に身に
つけた知識などがそのまま活用できる部分も多く、自分の意見、考えが反映されていくため、充
実感や達成感を感じることが多いです。また最近は日本でのみで仕事が完結することは無く、
メールや電話は頻繁に海外から英語できますし、海外出張も当たり前になっています。そのたび
に英語の重要性を感じる日々です。

その点熱工学研究室は、研究内容、メンバー、英語に慣れ親しむという点においても素晴らしい
環境が整った研究室だと思います。ぜひその環境をいかして、研究に、学習に、そして遊びにと
誰にも負けにぐらい充実した日々を送って頂きたいです。

熱工学研究室の方々のご活躍をお聞きするのを楽しみにしています。また熱工学研究室に伺うこ
ともあると思いますが、そのときはよろしくお願いします。

■ 1月の学会発表、講演等

<論文・総説(査読あり)>
Kazembe-Phiri, Hendrex; Matsumura, Yukihiko; Minowa, Tomoaki; Fujimoto, Shiji:
Heterogeneously catalyzed ethanolysis of groundnut crude oil using activated calcium
oxide and surface-modified activated calcium oxide, J. Jpn. Inst. Energy, 89(1), 53-58
(2010).

<国内学会発表>
中嶋稔, 吉田拓也, 松村幸彦, Tawatchai Charinpanitkul「ホテイアオイの水熱前処理に対する
処理条件の影響の検討」第5回バイオマス科学会議, 講演番号P113, 2010.1.20-21, 東京.

山崎慶彦, 松村幸彦, Thachanan Samanmulya, Tawatchai Charinpanitkul「ジャトロファの超臨
界水ガス化における活性炭触媒効果」第5回バイオマス科学会議, 講演番号P134, 2010.1.20-21,
東京.

Hendrex Kazembe-Phiri, 松村幸彦, 美濃輪智朗「Reactive performance of bio-ethanol for
biodiesel production by heterogeneously catalyzed ethanolysis of bio-oils」第5回バイオ
マス科学会議, 講演番号P136, 2010.1.20-21, 東京.

宗綱洋人, 玉井正弘, 野田洋二, 松村幸彦「食品廃棄物水素発酵残渣の超臨界水ガス化装置製作
とその特性について(第2報)」第5回バイオマス科学会議, 講演番号P137, 2010.1.20-21, 東
京.

清永英嗣, 中村昭史, 山崎寿樹, 山村幸政, 清水嘉久, 松村幸彦, 美濃輪智朗, 野田洋二, 川井
良文「鶏糞・豚糞・牛糞のパイロットプラントを用いた超臨界水ガス化」第5回バイオマス科学
会議, 講演番号P138, 2010.1.20-21, 東京.

Athika Chuntanapum, 松村幸彦「Gas and char production mechanism in the supercritical
water gasification of biomass」第5回バイオマス科学会議, 講演番号P139, 2010.1.20-21, 東
京.

谷口文太, 吉田拓也, 松村幸彦「バイオオイルモデル物質の部分酸化反応を用いた超臨界水ガス
化」第5回バイオマス科学会議, 講演番号P140, 2010.1.20-21, 東京.

山下泰直, 井上修平, 松村幸彦, 川井良文, 清水嘉久, 野田洋二, 美濃輪智朗 「各種原料の超
臨界水ガス化反応速度の比較検討」第5回バイオマス科学会議, 講演番号P142, 2010.1.20-21,
東京.

上中康平, 井上修平, 松村幸彦, 宗綱洋人, 野田洋二「廃グリセリンを用いた食品廃棄物水素発
酵残渣の超臨界水ガス化の反速度論的検討」第5回バイオマス科学会議, 講演番号P143,
2010.1.20-21, 東京.

野口琢史, 野田洋二, 山崎慶彦, 井上修平, 松村幸彦, 川井良文, 清水嘉久, 美濃輪智朗「高温
高圧雰囲気下におけるバイオマススラリーの熱伝達率」第5回バイオマス科学会議, 講演番号
P144, 2010.1.20-21, 東京.

椎井貴之, Athika Chuntanapum, 松村幸彦「酸触媒を用いた超臨界水ガス化における反応特性の
検討」第5回バイオマス科学会議, 講演番号P145, 2010.1.20-21, 東京.

<その他>
松村幸彦:研修生受入れ幹事, JICA training and dialogue programs for yen loan account
"Biomass Utilization System", 広島大学研修生8名, 2010.1.11-2.14, 東広島.

松村幸彦:講義 "Lecture 0: Introduction", JICA training and dialogue programs for yen
loan account "Biomass Utilization System", 2010.1.13, 東広島.

松村幸彦:講義 "Lecture 1: Overall view (1)", JICA training and dialogue programs for
yen loan account "Biomass Utilization System", 2010.1.14, 東広島.

松村幸彦:見学案内 "Site visit 1: Satake Co.", JICA training and dialogue programs for
yen loan account "Biomass Utilization System", 2010.1.14, 東広島.

松村幸彦:講義 "Lecture 2: Overall view (2)", JICA training and dialogue programs for
yen loan account "Biomass Utilization System", 2010.1.15, 東広島.

松村幸彦:講義 "Lecture 3: Resource (1) Outline and fundamental", JICA training and
dialogue programs for yen loan account "Biomass Utilization System", 2010.1.18, 東広島.

松村幸彦:実行委員会総括, 第5回バイオマス科学会議, 2010.1.20-21, 東京.

松村幸彦:座長「セッション1:技術1」第5回バイオマス科学会議, 2010.1.20-21, 東京.

松村幸彦:講義 "Lecture 6: Conversion (1) Outline and physical conversion", JICA
training and dialogue programs for yen loan account "Biomass Utilization System",
2010.1.25, 東広島.

松村幸彦:講義 "Lecture 7: Conversion (2) Thermochemical conversion 1/ outline,
combustion, and gasification", JICA training and dialogue programs for yen loan account
"Biomass Utilization System", 2010.1.25, 東広島.

松村幸彦:講義 "Lecture 8: Conversion (3) Therochemical conversion 2/ other
thermochemical conversion technologies", JICA training and dialogue programs for yen
loan account "Biomass Utilization System", 2010.1.26, 東広島.

松村幸彦:講義 "Lecture 9: Conversion (4) Biochemical conversion 1/ outline, acetone-
butanol fermentation, hydrogen fermentation", JICA training and dialogue programs for
yen loan account "Biomass Utilization System", 2010.1.26, 東広島.

松村幸彦:見学案内 "Site visit 3: The Chugoku Electric Power Co., Inc.", JICA training
and dialogue programs for yen loan account "Biomass Utilization System", 2010.1.27, 東
広島.

松村幸彦:見学案内 "Site visit 4: INE Oasa", JICA training and dialogue programs for
yen loan account "Biomass Utilization System", 2010.1.27, 北広島.

吉田拓也:講義 "Lecture 4: Resource (2) Various resource from composition", JICA
training and dialogue programs for yen loan account "Biomass Utilization System",
2010.1.18, 東広島.

吉田拓也:講義 "Lecture 5: Resource (3) Waste biomass resources", JICA training and
dialogue programs for yen loan account "Biomass Utilization System", 2010.1.19, 東広島.


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